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固定資産税・都市計画税の清算実務と金額感

結論:当年分(4/1〜翌3/31相当)の税額を、決済日を境に“日割り”で清算するのが通例です。

自治体の納税義務者は毎年1/1時点の所有者(売主)のまま変わりませんが、売買契約の取り決めに基づき当事者間で精算金をやり取りします。


基本ルール(まずここを押さえる)

  • 対象:固定資産税+都市計画税(※都市計画税は市街化区域のみ課税)。

  • 基準期間:実務上は4/1〜翌3/31を1年として日割り。

  • 負担切替:多くの契約で決済日=引渡日当日まで売主負担、翌日から買主負担と定めます(契約書の条項優先)。


清算のやり方(式と例)

  1. 年間税額の確定:売主が納税通知書で当年額(土地+家屋)を提示。

  2. 日割り計算
     買主負担相当額 = 年間税額 ×(決済翌日〜3/31の経過日数 ÷ 365)

  3. 決済で相殺:買主→売主へ清算金を振替(代金と相殺が一般的)。

ミニ例

  • 年間税額(固定資産税+都市計画税)=120,000円

  • 決済=11/15(決済当日まで売主負担)

  • 買主日数=11/16〜3/31=136日
    → 清算金=120,000 × 136 ÷ 365 ≒ 44,712円(約4.47万円)を買主→売主へ。

※うるう年や起算日の扱いは契約条項どおりに。端数処理(四捨五入/切上げ)は決済前に合意。


マンション/戸建ての注意点

  • マンション:税の清算とは別に、管理費・修繕積立金・駐車場は規約により月割/日割/当月前払が混在。管理会社フォーマットで精算基準日を固定。

  • 戸建て土地と家屋の合算額で清算。地目変更や家屋滅失予定がある場合は、反映時期(翌年度)を説明して誤解を防ぐ。

  • 非課税/減額:新築減額や小規模住宅用地の特例で当年額が軽いことがある。通知書の**明細(土地/家屋・課税標準)**を必ず共有。


よくある質問(実務の勘所)

  • Q. 売主がまだ納税していない時期でも清算する?
     A. する。 納付の有無に関係なく“当年額ベース”で日割り精算、決済で相殺。

  • Q. 滞納がある場合は?
     A. 原則決済時に完納。延滞金が出る前に配分表へ計上して解消。

  • Q. 都市計画税がかからない地域は?
     A. 固定資産税のみを清算(通知書で金額確認)。


当日までのチェックリスト

  • 納税通知書(当年分)の写しを用意(土地・家屋の内訳込み)

  • 精算基準条項の確認(起算日・端数処理・振替方法)

  • マンションは管理会社の清算書を取得(月割/日割の区分を明記)

  • 配分表に税清算・管理清算・固定資産税評価証明の取得費等を反映


まとめ

固定資産税・都市計画税の清算は、「通知書の当年額」×「契約で定めた日割り」で淡々と処理する仕事。

決済直前に起算日と端数処理を再確認し、配分表で相殺まで組み込めば、金額感の齟齬や「言った言わない」を防げます。