地方は買い手母数が小さい=“誰に刺すか”を先に決めるのが勝ち筋。
価格の前に、ペルソナ設計→情報の厚み→露出導線を整えると、値引き圧を抑えて着地できます。
1) ターゲットを決め打ち
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移住・二拠点:静けさ・景観・庭・在宅環境(光回線/モバイル電波)。
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Uターン/子育て:学区・医療・保育・スーパーの車分表示。
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週末別荘/ワーケーション:駐車2台、薪ストーブ/BBQ可否、季節道路・除雪。
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投資(民泊/賃貸):想定賃料と運営コスト、条例の可否。
→ ペルソナで写真・文言・資料の作りを変える。
2) 都市圏より効く「一次情報パック」
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生活圏の数字:医療/買物/学校/高速IC/主要駅までの車〇分、冬季道路や坂の勾配。
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インフラ:上水/下水/浄化槽、光回線の型番と実測値、携帯の電波状況。
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土地と法規:市街化調整・農地転用・再建築可否、前面道路幅員、除雪区分。
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コスト実績:固定資産税、光熱費、灯油/薪費、除雪・草刈の外注額。
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建物状態:インスペクション、白アリ/雨漏り、耐震や断熱の履歴。
→ これを1ファイルに束ね、内見日に配布。
3) 写真と見せ方のコツ
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外と空を主役に:敷地の広がり、借景、四季の表情。ドローンや全景写真が効く。
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暮らしの導線:駐車→玄関→庭→LDK→眺望の順で。
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作業性:物置・畑・水回りの動線、屋外蛇口・コンセント位置も撮る。
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匂い/湿気対策後に再撮(無香料清掃+全窓換気)。
4) 露出の設計
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地元×都市圏の二面展開:地場仲介のネットワークに加え、都市圏向けにSNS短尺/記事広告。
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季節ピンポイント:移住検討は春〜初夏、別荘はGW/夏/秋の行楽期に強い。
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空き家バンク/自治体制度:対象なら説明を先出し(補助・移住支援の要件)。
5) 価格とスケジュール
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在庫薄の週を狙う:新規が少ないタイミングで露出。
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改定は“分かる幅”で一発(2〜3%)。母数が小さいため反応測定は4週単位で。
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家具付き/庭道具付き等のパッケージ販売は検討価値大。
6) 契約・引渡しの注意
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境界・私道・農地は先に整理(承諾/転用/共有持分)。
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冬越し設備(凍結・屋根雪・薪設備)の扱いと取説を明記。
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契約不適合の範囲と残置物の線引きを写真付きで。
まとめ
地方は情報の非対称”を埋めた者が勝つ。
ペルソナを定め、生活・法規・インフラ・コストを数字で可視化し、季節と導線に合わせて露出。写真は敷地と空を主役に、価格は反応4週検証→一発改定。この型で、母数の少なさを成約率の高さに変えましょう。