結論:写真で“買う理由”をつくる投資として機能します。
ポイントは、費用よりも上振れ+販売短縮で“回収できるか”を数字で判断すること。
何が変わる?
ステージングの本質は第一印象の設計。ポータルでは「サムネ3枚」で勝負が決まります。家具・小物・照明で広さの錯覚(抜け)と生活動線を見せると、PV→問い合わせ→内見の歩留まりが改善。内見時も「サイズ感の不安」が減り、申込までの迷いを小さくします。
費用相場(目安)とプラン例
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ライト(小物+スタイリング+撮影):5〜15万円
空室/居住中どちらも可。水回りとLDKの“清潔・明るさ”を強化。 -
スタンダード(LDK中心の家具レンタル+撮影):15〜40万円
ダイニングセット・ソファ・ラグ・照明。レンタル期間は1〜3か月、延長は月数万円。 -
フル(複数室+小物一式):40〜80万円
2LDK以上や高単価帯で、主寝室・子ども部屋まで構成。モデルルーム発想で世界観を統一。
※価格はエリア・期間・品目で変動。延長費と撤去費の有無は必ず確認。
回収の考え方(ROI)
ROI=(価格上振れ+販売短縮で浮く保有コスト − 費用)÷費用
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例:想定3,800万円、スタンダード30万円投入
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上振れ期待:+40万円
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販売1か月短縮で保有コスト:+5万円
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ROI=(40+5−30)÷30=50% → ぎり合格。
目安は50%以上、理想は80%。数字で判断し、**高額フルより“効く最小限”**を選ぶのが鉄則です。
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効きやすい物件/効きにくい物件
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効きやすい:空室・眺望や採光に強み、築浅〜中程度、1LDK〜2LDKの都市型。
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効きにくい:雨漏り・違法増築・境界未確定など根本課題が残る物件(先に解消or正直に開示)。
実行ステップ(型)
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訪問査定で“上振れの種”を特定(抜け・採光・動線)。
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3社で相見積:プラン・期間・延長費・撤去費・撮影含むかを横並び比較。
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ターゲット定義:想定買主(DINKS/ファミリー/投資)の生活シーンを決める。
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撮影計画:サムネ3枚の構成を先に設計(抜け→LDK→水回り)。
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初動30日をKPI運用:PV/問合せ/内見率の改善が2週で見えなければ写真差替え。
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撤去タイミング:申込後すぐ撤去できる体制(鍵・台車・養生)を確認。
失敗あるあると回避策
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過剰演出で生活動線が破綻:椅子は引けるか、扉は全開にできるかを現地で確認。
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色数が多すぎて雑然:ベース+アクセントの3色以内に統一。
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レンタル期間切れで延長費が膨張:当初から2か月想定+1か月延長を前提見積。
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ターゲット不一致:高価格帯にカジュアル小物など“ミスマッチ”を避ける。
チェックリスト
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サムネ3枚で“買う理由”が一目で伝わる
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家具サイズが実寸でリアル(ダイニングW1400など)
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生活動線(通路幅・扉開閉)が確保
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期間・延長費・撤去費・撮影込みの見積が揃っている
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ROIが50%以上(理想80%)
まとめ
ホームステージングは、写真で刺し、内見で確信させる仕掛け。
“映える”こと自体が目的ではなく、上振れ+短期化で回収できるかが判断基準です。最小限で効くプランを選び、サムネ主義×KPI運用で成果に直結させましょう。