同じ物件でも、見せ方で反響は何倍も変わります。
内見数を押し上げるコツは「写真=第一印象を最短で伝える」「間取図=暮らしの具体像を補完する」。
高価な機材や大規模リフォームは不要。数時間の整頓+撮影順序+図面の描き直しで、反響の“入口”を広げましょう。
1) 写真の基本:3つのルール
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光を制す:撮影は日中。カーテン全開・照明ON、逆光はレースで拡散。白飛び・黒つぶれを避けるため、スマホでも露出を-0.3〜-0.7で微調整。
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垂直水平:カメラの高さは腰〜胸。壁や建具の垂直を合わせると“プロ感”が出ます。
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生活感の削減:コード・ゴミ箱・バスマット・冷蔵庫のマグネットは撤去。収納は7割収納で余白を見せる。
推奨カット順(20〜25枚)
①LDK広角(入口→窓方向)/②眺望・抜け感/③キッチン(天板の清潔感)/④洗面・浴室(鏡拭き必須)/⑤主寝室/⑥各居室/⑦バルコニー/⑧外観・共用部・アプローチ。1枚目は“購入理由になり得る写真”(眺望・窓の抜け・日当たり)を配置。
小ワザ
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観葉植物かクッション等を1点だけ置くと奥行きが出る。
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バスルームはシャワーホースをまっすぐ、小物は撤去。
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台所は天板を濡れ布巾→から拭きで艶出し。
2) 間取図の“描き直し”で差別化
ポータルでは、写真→間取→価格の順に視線が動きます。既存の簡易図では、広さ・動線の良さが伝わりにくい。以下を盛り込むだけで閲覧→内見の歩留まりが改善します。
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有効寸法の明記:主寝室のベッド設置例(W1,600mm等)、ソファ想定幅。
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家具レイアウト例:ダイニングテーブル・ソファの配置を実寸で。
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回遊・家事動線:キッチン→洗面→バルコニーの動線を矢印で。
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収納容量の可視化:WIC/物入の内寸、可動棚アイコン。
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方位と採光:方位記号+日照の入り方(朝/昼/夕)コメント。
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バルコニー奥行:物干し動線やテーブル可否が一目で分かる数値。
※戸建は駐車スペース寸法(幅×奥行×高さ)と前面道路幅員を必ず。マンションは**専有面積の内訳(壁芯/内法)**の注記も有効。
3) キャプションと並び順で“クリック率”を上げる
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1〜3枚目は刺さる順に:「前面棟なしの抜け」「午後は柔らかな採光」「管理良好・大規模修繕実施」。
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各写真に機能説明の一言:「回遊できるキッチン」「可動棚で高さ調整可」「ベビーカーOKのフラットアプローチ」。
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ネガは代替価値とセット:「北向き=夏涼しく、家具焼けが少ない」「エレベーター無=管理費抑制」。
4) 最小コストで“映える”準備(半日で完了)
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レンタル:布団カバー(白系)・クッション・小さな観葉植物。
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清掃:鏡・ガラス・水栓の点光源を意識して拭くと映える。
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配線整理:結束バンドで1本化、見える配線は壁沿いへ。
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匂い対策:換気→無香料クリーナー。強い芳香剤は避ける。
5) 改善の効果測定(2週間で判断)
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指標:PV(閲覧数)/問い合わせ率/問い合わせ→内見移行率。
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目安:写真・図面を刷新すると、PVで1.2〜1.5倍、内見率で1.1〜1.3倍の改善が見込めるケースが多い。
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運用:週1回はサムネイル入替・キャプション見直し。効果が薄ければ**“1回のインパクト”で写真総入替**。
チェックリスト(保存版)
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1枚目は眺望 or 採光の“決め写真”
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生活感の排除/鏡・水栓は光るまで拭く
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垂直水平/腰〜胸の高さで撮影
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間取図に有効寸法×家具レイアウト
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回遊動線・収納容量・方位・バルコニー奥行を記載
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写真20枚以上/キャプションに機能説明
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2週間でKPIを確認し、並び順とサムネを更新
「写真=感情のスイッチ」「間取=理性の後押し」。この2つを磨けば、内見数と交渉優位が自然とついてきます。