レインズ(REINS)は、宅建業者だけがアクセスできる業者間の物件流通システムです。
一般のポータル(SUUMO等)とは別で、ここに登録されることで全国の不動産会社に物件情報が共有され、他社からの内見・申込が入りやすくなります。
売主が仕組みを理解すると、露出不足や“囲い込み”の予防に役立ちます。
1) 媒介契約と登録期限の関係
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専属専任媒介:5日以内に登録/活動報告は週1回以上
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専任媒介:7日以内に登録/活動報告は2週に1回以上
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一般媒介:登録義務はなし(任意)だが、登録すれば露出は増える
登録は“義務”で終わりではなく、価格変更・文言変更・ステータス変更の即時反映まで含めて運用品質が問われます。
2) レインズに載ると何が起きる?
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掲載内容:物件基本情報、図面(間取り)、写真、取引態様、案内方法、備考等
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業者の見え方:各社の営業が**物件確認(物確)**を行い、内見枠を取りに来る
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ステータス:公開中/書面化(申込あり)/成約/一時止め など
→ ステータスを“正しく・速く”更新することで、他社からの案内が円滑になります。
3) よくある誤解
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「レインズ=ポータル」ではない:レインズは業者間。一般消費者は直接見られません。ポータルへの掲載は別運用です。
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登録さえすれば勝手に売れるわけではない:写真・図面の質/備考の具体性/内見導線を整えないと、他社が“案内したい物件”になりにくい。
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長い“商談中”表示は要注意:正当な申込であれば良いですが、過度に長い停止は露出を阻害。理由と期間を確認しましょう。
4) 売主ができる“透明化”チェック
契約前に取り決め
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〔登録期日〕登録完了日と**証憑(物件登録証明書)**の提示期限
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〔反映スピード〕価格・写真・文言変更の反映締切(例:翌営業日まで)
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〔他社客付けSLA〕物確への回答は当日中/内見候補は48時間以内に提示
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〔活動報告〕**週次KPI(PV・問合せ・内見・競合在庫)**と“次アクション”の明記
掲載後に確認
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登録証明書の写し(登録番号・登録日)を受領
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レインズ図面の写真枚数・図面の見やすさ・備考の具体性
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ステータス更新の機敏さ(申込・価格改定・取り下げ等)
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物確ログの共有(いつ誰から、何件の照会が来たか)
5) 他社が“案内したくなる”レインズ情報のコツ
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一次情報を厚く:間取りは家具レイアウト・有効寸法入り、写真は20枚前後を目標
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案内条件を明快に:鍵の所在/内見可能時間/撮影・再掲可否などを具体的に
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価値の翻訳:管理の良さ(長期修繕計画・積立金水準)、眺望・採光・騒音の実感値を数値や時間帯で記述
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ネガは先出し:エレベーター無し、北向き等は“代替価値”とセットで明記(例:光熱費低減・静粛)
6) こんな時は改善要請を
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登録証明が出てこない/遅い
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物確の折返しが慢性的に遅い(当日対応になっていない)
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“商談中”が長期固定で理由説明が曖昧
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写真・図面が明らかに弱いのに改善が進まない
→ 契約時の取り決めに沿って是正期限を切り、改善がなければ**契約形態の見直し(一般化等)**も選択肢です。
まとめ
レインズは全国の仲介会社を味方に付ける”ための基盤。
売主としては、登録期日・証憑・反映速度・他社対応SLA・週次KPIを“見える化”し、情報の質(写真・図面・備考)を業者目線で整えることが、反響最大化と価格維持の近道です。