同じ「仲介依頼」でも、結ぶ契約で売れ方が変わります。ここを押さえれば、囲い込みやムダな長期化を避けやすくなります。
まずは3種類の要点整理
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一般媒介
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複数社に同時依頼OK/自己発見取引OK
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レインズ登録義務なし(任意)
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活動報告義務の明確な頻度規定はない(取り決め次第)
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競争が働きやすい一方で、各社の“本気度”に差が出やすい
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専任媒介
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1社に限定/自己発見取引OK
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レインズ登録:7日以内、活動報告:2週間に1回以上
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進捗管理を受けつつ、担当者の“戦術”に集中できる
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専属専任媒介
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1社に限定/自己発見取引NG(買主を自分で見つけても仲介経由)
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レインズ登録:5日以内、活動報告:1週間に1回以上
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管理は最も手厚いが、自由度は低い
※専任・専属専任の契約期間は最長3か月(更新可)が基本運用です。
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どれを選ぶ?判断の軸は3つ
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露出とスピード
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広く買い手を探したい初期は「一般」で間口を広げる手も。
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ただし“やりっぱなし”を避けるため、活動計画とKPI(PV/内見/価格改定条件)を文書で取り決めること。
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進捗管理と責任の明確さ
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手厚い報告・迅速な価格運用を求めるなら「専任」または「専属専任」。
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とくに初動30日の運用(写真・文言・広告露出の改善)が要。
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自由度(自己発見取引・直販の余地)
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自分の知人・近隣で買い手候補が見込める場合は、自己発見可能な「一般」か「専任」を。
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失敗パターンと回避策
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最高査定額だけで“専任”を決める
→ 根拠が薄い強気提示は、後の値下げ圧力や長期化の原因。査定根拠(採用事例・補正)と運用計画を比較して選ぶ。 -
囲い込みの懸念に無頓着
→ レインズ登録のタイミング・他社客付けの受け方を契約前に確認。内見依頼への対応SLA(当日/翌日)も約束しておく。 -
報告が曖昧
→ 「週次(または隔週)の定量KPI(PV/問合せ/内見率/競合在庫の変化)+次アクション」を必須化。
実務のおすすめ進め方(型)
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机上査定を3〜5社:中央値とレンジ幅を把握。
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訪問査定を2〜3社:上振れ要素(眺望・管理・リフォーム)の“価格反映力”を見極める。
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面談で比較する質問リスト
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初動30日の戦術(写真・間取・文言・出稿媒体)
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価格改定の明確なトリガー(例:内見◯組未達で△%見直し)
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他社客付けの受け方/内見対応SLA/レインズ登録日
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契約の選択
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初期は「一般」でテスト → 優秀な担当に“専任”へ切替、の二段ロケットも有効。
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専属専任は“担当者への信頼が固まってから”が安心。
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まとめ
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一般=自由と競争、専任=集中運用、専属専任=最も手厚い管理(自由度は低め)。
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どれを選んでも、鍵は初動30日の運用とデータに基づく価格調整。
まずは複数社の机上査定で相場レンジを掴み、面談で運用力を見極めたうえで契約形態を決めましょう。