「まずは査定して相場感だけ知りたい」という方は多いはず。
結論から言うと、最初の一歩は机上査定(簡易査定)を複数社に依頼するのが合理的です。
短時間で“いまの相場レンジ”を把握し、訪問査定はその裏取りと上振れ要素の確認に回す——この順番がムダがありません。
机上査定とは
公開データや周辺の成約事例、築年数・専有面積・駅距離など“外形情報”から推定する査定。
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所要:最短当日〜数日
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精度:±5〜10%のレンジで提示されることが多い
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長所:手間が少ない、複数社比較がしやすい
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短所:室内の状態・眺望・騒音・管理履歴など“中身の差”は織り込み切れない
訪問査定とは
担当者が現地を確認し、日照・眺望・間取りの使い勝手、リフォーム履歴、管理・修繕状況、近隣環境まで評価する査定。
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所要:30〜60分程度+後日査定書
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精度:中身の評価が乗るため、価格の上振れ/下振れが明確に
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長所:売出戦略(写真の撮りどころ、改善ポイント)まで踏み込める
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短所:日程調整の手間、担当者の目利きによる“差”
どちらを先に?判断基準
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スピード重視/相場だけ確認:→ 机上査定を複数社。レンジが狭く揃えば、相場は安定。
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売出時期や価格を本気で決めたい:→ 訪問査定で“中身評価”を反映。
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価格に自信が持てない・根拠を知りたい:→ 机上→訪問の二段構えで。査定根拠(採用事例と補正ロジック)を必ず確認。
例:こんな物件は訪問査定で差が出る
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高層階・角住戸・眺望良好など写真に効く要素が強い
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リフォーム済み/設備グレードが高い(カタログ裏付けあり)
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騒音・匂い・日照の実感がプラスに働く立地
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管理が優良(長期修繕計画・積立金の水準が良い)
進め方の型(ムダなく高く)
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机上査定×3〜5社:価格レンジと根拠を比較。外している会社は理由も聞く。
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訪問査定×2〜3社:上振れ要素(眺望・日照・管理)をどこまで価格に反映するかを見る。
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媒介前ミーティング:初月のPV/内見目標、価格改定のトリガー、広告露出(写真・文言)を合意。
注意点(よくある落とし穴)
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“最高額”だけで業者を選ばない:根拠の薄い強気提示は後の値下げ圧力になりがち。
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売出価格=査定額ではない:初動の反響データで“戦略調整”が基本。
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一社決め打ちは避け、比較前提で。
まとめ
最初は机上査定で相場の“ものさし”を手に入れ、次に訪問査定で“中身の価値”を上積みする。
この順番なら、価格の根拠がブレず、売出後の意思決定も速くなります。まずはカンタンに複数社の机上査定から始め、数字で市場感を掴みましょう。