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日本では、若者の貧困化が問題となっていますが、その問題と同じくらい「シングルマザーの貧困」も大きな問題であると言えます。
厚生労働省の調査では、母子家庭の80%以上が「生活が苦しい」ということが分かっています。
ギリギリの経済状況で暮らしている母子家庭も多いですが、生活費が足りずに少しずつ借金をしてしまっているシングルマザーも多かったりします。
いったいなぜ一般的な人よりもシングルマザーの方が借金を抱えやすいのでしょうか?
この記事では、そんな「シングルマザーが借金を抱えやすくなる3つの原因」について解説していきたいと思います。
日本におけるシングルマザーの人口
日本では、約120万人のシングルマザーがいるとされています。
ちなみ父子家庭に(シングルファザー)は18万人程度となっているので、いかにシングルマザーが多いのかがわかりますよね。
しかし、父子世帯よりも母子世帯の方が圧倒的に収入が少なく、平均200万円程度の収入で生活しているというのが現状となります。
シングルマザーが借金を抱えやすくなる3つの原因
年間収入200万円程度で自分と子供(場合によっては2人、3人の可能性もあり)の生活費を賄うとなると、かなり厳しいというのは間違いないですよね。
借金をするまで苦しくなってしまうのには、以下のような原因が考えられます。
正社員として働けないケースが多い
子供のいる状態では正社員で働くことがなかなか難しく、どうしても収入は下がってしまいます。
母子家庭の半数以上が正社員ではなくパートとして働いているという現状があります。
シングルマザーであっても、祖父母が同居をしていれば正社員として働くことができますが、そういった環境ではないケースでは正社員として働くことが難しくなります。
- 朝の準備や雨天時の送り
- 雨天時の夕方のお迎え
自分で通学ができるようになる小学生であっても、雨天時には送迎が必要となることもありますし、保育園や幼稚園の場合には通園バスがない限りは自らが送迎する必要があります。
また、子供は体調を崩しやすく、休んだり早退などをするケースも非常に多かったりします。
正社員として働きながらこれらをこなすのは、現実的に難しいでしょう。
それゆえに正社員ではなくパートとして勤務するしか選択肢はなくなり、低収入ゆえに借金をしながら生活をしていく流れとなってしまうのです。
養育費を貰っていないケースが多い
離婚をすると、別れた夫から養育費を貰えるというイメージがありますが、実際はシングルマザーの約7割~8割が「養育費」をもらっていないのです。
定期的に養育費が支払われているシングルマザーの家庭は約2割程度であり、ほとんどのケースで「支払いがない」「不定期に支払われている」というのが現実となっています。
月に数万円でも養育費が安定して支払われていれば、パート勤務であってもまだ暮らしていけますが、養育費が支払われていない(もしくは支払金額やペースが不安定)であれば、必然的に暮らしは厳しくなっていきます。
自身に何かしらの問題が起きた際に収入が激減してしまう
共働き世帯の場合、収入源が1つではないため貯蓄に回す余裕も多少はありますよね。
もしもどちらかが病気やケガをしたとしても、普段から手厚い保険にも入れているケースが多いですし、もう1人の収入は変わらずに入ってくるので、そこまで大きなピンチにはなりにくかったりします。
しかし、パート勤務をしているシングルマザーの場合には、収入源が1つであるため、自分自身が病気やケガをした時に収入がなくなってしまう可能性があるのです。(正社員であれば有給休暇や傷病手当が使えるので大きなピンチにはなりにくい)
また、普段から生活が困窮していることが多く、もしもの時の保険などもそれほど手厚いものに加入していないケースがほとんどだと思います。
貯蓄もそれほどない状態で病気やケガなどをしてしまうと、一気に生活が苦しくなり、借金をしなければいけない状況に陥ってしまうのです。
また、「自分が倒れたら終わり」というプレッシャーに押しつぶされそうになることもあります。
他にも、外出して幸せそうな家族を目にするだけでもネガティブな感情となったり、子供に対して「パパがいない」という寂しい想いをさせてしまっているという罪悪感を感じてしまうことも多いのです。
そういった精神的な辛さから病んでしまう可能性も高かったりするのです。
まとめ
今回は、「シングルマザーが借金を抱えやすくなる3つの原因」について解説してきました。
- 正社員として働けないケースが多い
- 養育費を貰っていないケースが多い
- 自身に何かしらの問題が起きた際に収入が激減してしまう
国や自治体から支給される補助はあるものの、それでも貧困に陥ってしまうシングルマザーは多いものです。
一度借金を抱えてしまうと、収入の低さゆえに完済するのも難しくなり、場合によってはどんどん借金額が増えていってしまうこともあるのです。
負のスパイラルから抜け出すためには、家にいながらできる副業を見つけたり、親族の協力などを仰ぎ正社員として働ける環境を作るといった工夫が必要だと言えるでしょう。