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住宅ローン残債がある家を売る手順|抑えるべき3点

「まだローンが残っているけど、売れるの?」—売れます。

ポイントは ①残債と費用の見える化②抵当権抹消の段取り③資金・スケジュール設計 の3つ。

ここさえ外さなければ、住み替えや現金化もスムーズです。


1) 残債と費用の“見える化”

まずは現在の**完済金額(残債+日割利息+繰上返済手数料の有無)**を金融機関で確認。次に、売却後の手取りを概算します。

  • 手取り=売却価格 − ローン完済額 − 売却諸費用

  • 主な諸費用

    • 仲介手数料(上限):売買価格×3%+6万円(+消費税)
      例)4,000万円で売れた場合 → 手数料は約138.6万円

    • 印紙税:売買契約書に貼付(契約金額に応じて)

    • 抵当権抹消費用:登録免許税(少額)+司法書士報酬(数万円目安)

    • その他:測量・軽微補修・ハウスクリーニング・引越費用 など

手取りが残債を下回る場合は自己資金の持ち出しが必要。難しいときは早めに金融機関・仲介会社と任意売却の可否を相談します(債権者の同意が前提)。


2) 抵当権抹消の段取り(“同時決済”がキモ)

売却時は通常、買主の代金支払(決済)とローン完済・抵当権抹消を同日に行います。流れはシンプルです。

  1. 査定~売出:価格レンジを把握し、販売開始

  2. 売買契約:手付金の授受(ローン審査特約等を設定)

  3. 決済準備:金融機関へ完済依頼 → 抹消書類の手配(委任状・解除書など)

  4. 同時決済:買主からの売買代金 → まずローン完済 → 余剰があなたの手取りへ → 司法書士が抵当権抹消を申請

  • 金融機関・司法書士・仲介が連携します。決済日の2~3週間前には必要書類(本人確認、実印、通帳、抵当権抹消書類の手配可否)を確認しておくと安心。


3) 資金とスケジュールの設計(住み替えも含めて)

住み替えパターン

  • 先売り(売ってから買う):手取りが確定してから購入。資金計画が堅い。一時的に仮住まいが必要なことも。

  • 後買い(買ってから売る):仮住まい不要だが、資金・ダブルローンの負担が生じやすい。

  • つなぎ融資:先買いの頭金を一時的に借りる方式。利息や取扱手数料を加味して総コストで比較。

スケジュールの“型”

  • 週0–1:残債の完済金額諸費用の概算を取得

  • 週1–2:机上→訪問査定価格レンジと根拠を確定

  • 週3–4:売出準備(写真・書類整備・軽微補修)→ 掲載開始

  • 週5–8:内見・交渉(PV/内見率で運用)

  • 契約後:金融機関へ完済予約、司法書士手配 → 同時決済で引渡し


よくある疑問と回答

  • Q. 売却代金が残債に届かなかったら?
    A. 自己資金の充当が原則。難しい場合は任意売却を検討(債権者同意・引渡条件の調整が必要)。

  • Q. 固定資産税や管理費はどうなる?
    A. 決済日に日割または月割で清算するのが通例。手取り計算に織り込みましょう。

  • Q. 手付金はローン完済に回せる?
    A. 通常は決済時にまとめて清算。手付金は違約時の扱いもあるため、契約書の特約を要確認。


まとめ

  1. 数字で手取りを先に確かめる(残債・諸費用まで)

  2. 抵当権抹消は“同時決済”で安全に段取り

  3. 住み替えは資金と時間のコストまで含めて選択
    迷ったら、まずは“手取りの試算表”を作ること。価格だけでなく、費用・時間・リスクまで見通せれば、残債ありの売却でもブレずに進められます。