人気記事
借金額が増えてしまい、任意整理という選択肢が頭によぎった時、気になるのが「どこに頼むべきか?」ということではないでしょうか?
ネットなどで調べてみると、その選択肢は「弁護士」か「司法書士」のどちらかに頼むケースが圧倒的に多くなります。
同じ任意整理というゴールを目指すにあたり、内容が若干違っているので、しっかりとその違いを理解した上で依頼することが重要となります。
この記事では、そんな「任意整理するなら弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきなのか?」という疑問について解説していきたいと思います。
弁護士と司法書士の違い
任意整理をどちらに依頼するかを決める前に、まずはその2つの専門家についてある程度知る必要があると言えるでしょう。
それぞれの特徴をいくつか挙げていきましょう。
弁護士
弁護士という職業は、身近に起こるトラブルや事件に対して法的なアドバイスをしたり、代理人として相手方と交渉を行うことができる法律の専門家です。
「社会生活上の医者」という役割を担っているのです。
独立開業している個人の弁護士もいれば、何人もの弁護士が在籍する法律事務所という団体も存在します。
その資格取得の難易度は非常に高く、医師免許や公認会計士と並び「日本の三大資格」の1つと言われています。
- 法科大学院で3年間(または2年間)学ぶ(大学院に通えない場合は予備試験に合格することで司法試験を受験可能)
- 司法試験に合格する
- 司法修習を受ける
こういった難易度の高い道のりを乗り越えて初めて「弁護士」として活躍することができるのです。
司法書士
司法書士は、不動産の登記や供託、訴訟などの法律事務を行う仕事です。
それ以外にも、不動産登記や商業登記を行うこともありますし、相談業務(コンサルティング業務)を行う場合もあります。
司法書士の国家資格を取得するには、特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
しかし、その何度は非常に高く、毎年5%前後という非常に低い数字となっています。
司法書士の資格を無事に取得したとしても、そのまま実務経験を積むのは難しく、まずは司法書士名簿に登録し各司法書士会が主催する研修を受けながら実務をこなしていきます。
任意整理を依頼するにあたって異なるポイント
それぞれ法律の専門家であり、任意整理を依頼することが可能な職業なわけですが、いくつか違いが存在します。
依頼金の違い
これは各事務所によっても違いがあるのですが、基本的には弁護士事務所よりも司法書士事務所に依頼をした方が若干安くなる傾向にあります。
借金をしている状態で依頼をするわけですから、少しでも手元から出るお金は避けたいと思うのが当然ですから、「それでは費用が安い司法書士に依頼しよう」と思うのが自然な流れかと思います。
債務額の違い
弁護士と司法書士のどちらに依頼するかには、もう1つの違いも理解しなければなりません。
その違いがどちらに依頼するかを必然的に決める要因となってしまうことが多かったりします。
それが、「債務額が140万円以下であるかどうか」ということです。
債務額が140万円以下であれば、司法書士でも対応可能となりますが、その額を超えてしまうと司法書士では法律相談や交渉、訴訟に対応することができないのです。
ただし、借金の総額ではなく、借りている1社の貸金業者の借入金額が140万円以上である場合に負かなだけなので、例えば複数の貸金業者から借金をしていて、140万円を超えていなければ司法書士でも任意整理の依頼を受けることができます。
借金の総額ではないことを理解しておきましょう。
過払い金が140万円を超えるかどうか
「債務額が140万円以下だから司法書士に依頼しよう」と考えたとしても、例外があります。
それは、「過払い金が140万円を超えるかどうか」です。
140万円以上の過払い金が発生する案件に関しては、対応ができないので司法書士に依頼することができません。
まずは自分の借金が任意整理によってどれくらいの過払い金となるのかを知る必要があるということです。
訴訟がもつれた場合の対応可能範囲
もしも簡易裁判所で行っていた任意整理の訴訟がもつれてしまい、相手側が控訴した場合には司法書士では対応できなくなってしまいます。
なぜならば、司法書士の訴訟代理権は地方裁判所や最高裁判所には及ばないからです。
その場合には、再度弁護士に依頼しなければならない為、余計に費用が必要となってしまいます。
まとめ
今回は、「任意整理するなら弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきなのか?」という疑問について解説してきました。
「依頼金の違い」や「債務額の違い」「過払い金が140万円を超えるかどうか」「簡易裁判所かどうか」という違いによって、弁護士に依頼するか司法書士に依頼するかが違ってきます。
もちろん、最近では相談料が無料だったり、依頼金も司法書士とそれほど変わらない事務所も増えてきたので、相談をしながら自分に合った事務所を決めていきましょう。